【ノモグラム】・・・病期T1・T2はほんとうに限局がん?

米国では約4000例のデータ分析から、「PSA、GS、臨床病期3つの変数に対し、前立腺内限局率、被膜浸潤陽性率、 リンパ節転移陽性率がそれぞれどういう関係にあるか」が、パーティンのノモグラムと呼ばれる精緻な表として まとめられています。
ノモグラムは米国では2001年より、臨床病期からリンパ節転移などの病理学的な病態 を予測するとか小線源療法適用可否の判断等、各種の治療方針決定に利用されています。 ところが「それはアメリカ人のデータであって日本ではそのまま適用できない(転移の確率はもっと低いのでは?)」という 見解もあって、日本ではなかなか診療上積極的に活用されるまでには至らないようです。 たとえ多少の誤差はあったとしても、前立腺がん先進国のデータはもっと積極的に活用を図るべきではないでしょうか?
たとえ数値をそのまま丸呑みにできないにせよ、転移・浸潤の多寡とその傾向はこれで判断できるはずですから。
下表はノモグラムを簡略化したものです。判りやすくする為、T1(病期A)はT1a・1b・1c、T2(病期B)はT2a・2b・2cの平均値で示してあります。